経済発展を支えるウーマンパワー
中国式男女関係のススメ
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経済発展を支えるウーマンパワー 中国式男女関係のススメ

世界経済フォーラム(WEF)が発表する「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」が先進国の中でもダントツ最下位である我が日本。政府主導で女性が活躍できる環境づくりを目指すなど、様々な努力が続けられていますが、同じ東アジア圏の中国・韓国よりもランク的には遅れをとっている状況です。

さて、みなさんは中国の女性の地位についてどんな印象を持っているでしょうか。政治参加については中国でもまだまだ男性が中心なので、日本のニュースに登場するのは男性がほとんど。そのため漠然と「日本とさほど変わらない」「むしろ指数に反して一般女性の地位は日本より低いのでは」という印象を持っている方もいるかもしれません。何を隠そう、私自身も中国に関わる前はそんなふうに思っていました。

ところが、実際に中国の会社で仕事をしたり、中国で暮らしたりしてみて、日本とのあまりの違いにビックリ、というのが正直なところです。特に女性の社会参加については中国の方がはるかに進んでいると感じます。実際、ジェンダー・ギャップの中でも経済活動参加に関する指数で日本はトータルの順位よりさらに大きく中国に水を開けられています。そこで今回は、私が見た中国における女性の地位についてご紹介してみたいと思います。

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女性がキャリアを積むのは当たり前

まず、なんといっても日本と大きく違うのは女性の社会参加の度合いです。中国では結婚後もほとんどの女性が仕事を続けます。そのため、職場でも基本的に男女平等で、女性であることを意識することは一部を除いて(この「一部」については後ほど詳しく語ります)ほぼありません。もちろん主要なポジションに女性がつくこともよく見られます。

中国の女性で専業主婦志向の人もいますが、非常にまれという印象です。深圳で知り合った一人の若い女性にこんなことを言われたことがあります。「日本では結婚したら女性は働かなくてもいいんでしょう?うらやましい!」そして周囲に気を遣うように声をひそめて「中国はそういうわけにいかないから……」と。

深圳では最前線でバリバリ働き、しかもスキルアップに余念がない女性ばかりを見ていたので、彼女の発言に私はとても驚いてしまいました。そして内心「がんばればいくらでもチャンスがあるのにもったいない!」と思ってしまったのです。外国人の私ですらそう思う環境なのですから、おそらく彼女はそれまで専業主婦志向をあまり周囲に話せなかったのではと想像します。中国における女性の社会進出がいかに当たり前になっているのか実感する出来事でした。

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頭のいい女性がモテる

少し前まで日本では女性はでしゃばらず、わきまえて男性の半歩後をついていくのが好ましいという価値観が支配的でした。だいぶ意識は変わってきましたが、残念ながら女性がそういう態度を求められる場面は今も見受けられます。

しかし、中国の男性にとっては従順な女性よりも自分の考えをしっかり持っている女性の方がより魅力的に感じるそうです。あくまでも私と接点がある人々から聞いた話ではありますが、日本で「わきまえる」ことを求められてきた私には、彼らの感覚はとても新鮮でした。

中国と一口に言っても世代や地域差があるかもしれませんが(そしてもちろん個人差も)、都市部の30代より下の世代ではこのような価値観が比較的多いのではと感じています。彼らの話をざっくりまとめると、自分の意見がない女性とは話をしていても楽しくなく、パートナーとしては重荷に感じてしまうので、恋愛をするなら共に助け合えるような頭のいい女性が理想だそうです。そのため、高学歴は男性だけではなく、女性にとってもアピールポイントになるとのこと。学歴が高ければ彼らが求めるような生活力があるわけではないと思うのですが、中国では受験戦争が熾烈なので、それを勝ち抜くだけの努力と忍耐力がある人、と評価されるようです。

一方女性側も年齢相応にスキルアップすることを当たり前と思っていて、社会人になってから新しい勉強を始める人も少なくありません。彼女たちは自分のキャリアのためにがんばっているのですが、そういう女性と向上心が薄い女性を対比してしまうと、確かにがんばっている女性の方が魅力的に映るのかもしれません。これも女性の社会進出が進んでいるからこその現象、と言えそうです。

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徹底的なレディファースト

中国では女性の社会進出が進んでいる一方、レディファーストが徹底されていると感じることが多々あります。例えばバレンタインデー。日本のバレンタインデーは女性から男性にプレゼントをする日ですが、中国では男性が女性にプレゼントをします。また、中国でバレンタインデーを「情人節」と言いますが、この「情人節」、2月14日だけではなく、1年のうちに何度もあるのです。私が知る範囲で代表的な「情人節」は以下の通り。

・2月14日 バレンタインデー

・5月20日 520(520の中国語の発音がI love youを表す我爱你の発音と似ている)

・旧暦7月7日 七夕(8月の中旬)

最近では毎月のように何か理由を探して「情人節」を設ける風潮さえあります。もちろん、それらは基本的に男性が女性にプレゼントをする日です。

また、女性がキャリアを積むのは当たり前という話の中で、「一部」を除き職場で女性であることを意識することはない、というお話をしました。この「一部」というのは3月8日の「国際女性デー」と飲み会など業務外での時間です。

まずは国際女性デーからご説明しましょう。中国の多くの会社では国際女性デーである3月8日、女性社員全員にプレゼントを用意します。さらに女性だけ午後は公休となります。最近では重要なポジションについている女性も多いので、完全に公休とはならないケースも増えているようですが、部署ごとに個別にプレゼントを用意したり、残業は避けるなど、この日の女性は何かと特別扱いをしてもらえます。

もう一つ、女性が特別扱いをされるのが飲み会などの業務以外の場面です。中国ではスタッフ同士の交流を目的に、会社持ちの飲み会が催されることが珍しくないのですが、一歩会社を出て宴席につくとごく自然にレディファーストになります。そこでは役職や年齢は関係ありません。男性陣は女性陣に楽しんでもらえるよう様々な気を使います。男性側も渋々やっているという感じはなく、それが当たり前であり、女性陣が喜ぶことに満足感を得ているようでした。

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女性が活躍する社会のために

以上ご紹介してきたように、中国の一般女性の地位は日本と比べるとかなり高いと感じます。結婚の際は男性側が家を用意し、子供たちも男性側の姓を受け継ぐ(中国は夫婦別姓)のが普通というように、男性が家長という風潮は依然としてあるものの、共働きが普通なので、結婚している女性も日本と比べるとはるかに自立している印象があります。

歴史的に見れば中国も長い間男性社会で、近代まで女性の地位は低かったはずです。それが共産党政権となり男女平等が推し進められたこと、また一人っ子政策の結果、極端な男性余り状態となっていることなどから、現在のような女性の地位が確立されたようです。劇的な社会変化を経験した中国と日本が同じようにできないことは言うまでもありません。また、中国では祖父母が子供たちの面倒を見る習慣が根付いていて、この点においても日本では別の方法を見出す必要があります。しかしながら、生き生きと働く多くの女性たちを目の当たりにすると、彼女たちの活躍も現在の中国の発展を支える一因だと思えて、「早く日本も」という焦りのようなものを感じずにはいられません。

今後人口が減っていく日本においては一層女性の社会進出が求められます。中国の例から学べることがあるとすれば、それは男女双方の努力が必要だということです。どちらか一方に責任や変化を求めるのではなく、より良い未来のために、共に変わっていく努力を積み重ねていけば、きっと日本でも女性活躍の場が増えていくのではないでしょうか。私自身も中国の女性たちに倣い、今後もスキルアップの努力を続けようと思っています。

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