中国的寛容が実現した怪し楽しいEコマース「アリエク体験」のススメ
中国的寛容が実現した怪し楽しいEコマース「アリエク体験」のススメ

中国的寛容が実現した怪し楽しいEコマース「アリエク体験」のススメ

公開日
Jul 8, 2021
ライター

「中国」は今、よくも悪くも注目されるコンテンツです。すさまじい経済発展を背景に国際社会での存在感が増し、一党独裁という政治的特徴も相まって世界中が中国の動きを注視するようになりました。また、科学技術が急速に発展したことから、日本でも手放しの称賛から悪意とも取れる憶測まで、いろいろな情報が乱れ飛ぶようになりました。

それらの情報は「中国凄い!」「中国ひどい…」どちら側の軸にせよ、より刺激的な内容が好まれているように感じます。それも中国に対する関心の強さ故なので、決して悪い事とは思いません。ただ、そのようなセンセーショナルな側面ばかりではなく、「ここは日本と似ている」とか「ここは見習いたいな」と感じる部分についてもう少しフラットな目を向けてほしいと思っています。

そこでこのシリーズでは、中国の人々のポジティブで前向きな部分に焦点を当て、私たち日本人が共に発展していくためのヒントになるお話をお伝えしていきたいと思っています。

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「アリエク」って?

第1回目は通販サイト「AliExpress」、通称「アリエク」が私たち日本人にもたらした「アリエク体験」についてお話ししてみたいと思います。

みなさんはAliExpressを使ったことがあるでしょうか。Wikipedia(英語版)では、このように紹介されています。

“AliExpress(以下「アリエク」と表記します)は、アリババ・グループが運営する中国のオンライン小売サービスです。2010年に開設され、中国およびシンガポールなどの中小企業が海外向けに商品を提供しています。(中略)(このプラットフォームを通じて)中小企業は容易に世界中の顧客に販売をすることができるようになっています。”

つまり、私たちにとっては中国の業者から様々なものを直接買うことができるECサイトということができます。

AliExpress.com
AliExpress.com

アヤシイけど、とっても楽しいアリエク体験

さて、このアリエク、日本のECサイトに慣れている人が見たら「アヤシイ…」と感じるかもしれません。まず、日本語がおかしい箇所があり、また「本当にこの値段なの!?」と疑いたくなる製品も見受けられます。さらに、発注してから届くまで、早くて2週間、長い時は2か月近く待たされることもあります。普通に考えるととんでもないサービスに見えますが、私の周囲ではアリエクファンが着々と増えています。アリエクの何に人々は惹きつけられるのでしょうか。

ここで私が初めてアリエクで買ったものをご紹介しましょう。中国製スマートウォッチのバンドです。純正品ではありませんが、カラフルな色がたくさんあり、しかも驚くほど安かった(2本で300円ほど、送料無料)ので、半信半疑で買ってみたところ、まったく問題なく使うことができました。

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中国製スマートウォッチのバンドは中国に行かないと買えないと思い込んでいた私にとって、それを日本にいながらたった数百円で手にいれたという衝撃は、アリエクにハマるには十分すぎる体験でした。

ここから私のアリエク遍歴が始まります。

ほしかったけど、ぜいたく品とあきらめていたガラスペンも500円、Amazonでは1000円ほどするスマホの保護フィルムも2枚で300円、動画配信などで使う撮影用ライトも2000円と、とにかくほしいものが何でも激安です。

いつしか特に買うものがなくてもアリエク内をさまようことが趣味になりました。運営母体であるアリババはAI研究に力を入れている企業ということもあり、アリエク内をさまよう時間が増えるほど、私好みの面白い商品をレコメンドしてくれることもハマり具合に拍車をかけました。

そして、ある日、レコメンドされた商品がこちら。

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何に使うかわからず、もちろんお勧めされた理由もわからず、思わずTwitterに投稿したところ、ハロウィンに作られる「魔女の指クッキー」の存在と、おそらくその型であろうということを知ることができました。いつも私がキッチン製品を検索していたので、どうもそこからレコメンドされたようです。

SNSの力も借りて「???」が「!!!」に変わった感激から、すぐさまこの「魔女の指クッキーの型」を購入しました。もちろん値段はわずか数百円。これがもし千円以上もする商品なら勢いで買うことはなかったでしょう。面白い物と出会ったら「ノリ」で買えてしまうというのもアリエクの大きな魅力の一つです。

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そして出来上がった「魔女の指クッキー」

アリエク体験を楽しむための心得

こんな風にアリエクはただ激安で買い物ができるだけではなく、世界をマーケットにしていることから、自分の知らない世界を垣間見たり、ちょっとした新しい知識を得たり、そんな楽しみも提供してくれます。

こういった「アリエク体験」はバーターとして少しの不良品のリスクと果てしない納期を受け入れることで成り立っています。消費者としてはついつい「安くて高品質で短納期」を求めがちですが、でもその一部を少しだけ諦めることで、新たな楽しみを手にできるのだと「アリエク体験」は教えてくれます。

また、日本人の発想ではおそらく展開する国ごとに丁寧なローカライズをしようとするでしょう。それはそれで日本の強さですが、結果としてコストが製品価格に反映してしまうので、ここでご紹介したような「アリエク体験」を消費者にもたらすことはたぶんできません。

スピード重視で走りながら改善していくスタイルは、少しせっかちで、比較的失敗に寛容な中国人気質がなせるワザだと個人的には感じています。その中国的なポジティブは本来品質や納期に厳しい日本人の「殻」をも取り去り「アリエク体験」として新たな楽しみを与えてくれました。

こんな風に中国的ポジティブが日本人に新たな価値を教えてくれる例はまだまだあります。これからいろいろお伝えしていきますのでぜひ楽しみにしていてください。

最後に、もう一つ「アリエク体験」の楽しみ方をご紹介しましょう。

先日、某商品を発注しましたが、発送後まったく物流情報が更新されません。少し不安に思っていたある日、配送状況が突然「この荷物はキャンセルされました」の表示に。店舗に中国語で問い合わせをしましたが、返信もないので仕方なく返金要請をしました。

アリエクで明らかな詐欺に遭うことはめったにありませんが(少なくとも私は一度も経験していません)、こんな風に楽しみにしていた商品が届かないということもあり得ます。それもまた「この間アリエクでさぁ~」とネタにして楽しむまでが「アリエク体験」です。まだの方はぜひ体験してみてくださいね(笑)。

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