誰でも有名アーティストになれるかも!?話題のNFTの仕組みとは
誰でも有名アーティストになれるかも!?話題のNFTの仕組みとは

誰でも有名アーティストになれるかも!?話題のNFTの仕組みとは

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NHK報道記者を経て、現在5歳の女の子を育てながらフリーライターとして活動する私が、女性活躍(特に育児中の女性の社会復帰)や子育て、教育についてのニュースを紹介していきます。 今回取り上げるのは、NFT(非代替性仮想通貨)についてです。今夏、小学3年生の男の子が夏休みの自由研究で作ったピクセルアートが、仮想通貨技術を用いた「NFTアート」として、数百万円をも超える価格で取引されています。アートや音楽はもちろん、SNSにおける個人の発信にも新たな価値をもたらすNFT。その仕組みや利用方法について紹介します。

2021年3月、海外オークションサイトで「Everydays – The First 5000 Days」と題したデジタルアートが、およそ75億円で落札された。この作品を描いたのは、Beepleというアメリカのアーティストだ。250年以上の歴史を持つオークションハウス「Christie’s」によると、今回の落札で、Beepleは世界で最も価値のあるアーティスト3人に名を連ねたという。

また、2021年4月には、バーチャルスニーカーがオークションに出品され、およそ140万円で完売した。履くこともできず、あくまで鑑賞するだけのバーチャルスニーカーが、オークション開始からたった9分で完売したとは驚きだ。

他にも、アメリカプロバスケットボールリーグのトレーディングカードや、ゲーム上で作成したアイテムなどが高額で取引されている。なかには、小学生が夏休みの自由研究で作ったデジタルアートも流通しており、なんと100万円を超える価格で取引されているという。

これらの作品はすべて、「NFT」と呼ばれる仮想通貨技術を使っており、デジタル作品にもかかわらず、偽造や改ざんができない。

従来のデジタルデータは、本や絵画とは異なり簡単にコピーできるのが魅力な反面、偽造も簡単なので、希少性や唯一性を付加できなかった。しかしNFTを活用することで、デジタルアートにも偽造・改ざんできない「一点モノの価値」を持たせられるようになったのだ。

「一点モノ」の希少価値を求めて、多くの人が高額で取引する「NFTアート」。NFTの仕組みや取引方法、そしてNFTの今後について紹介する。

一点モノの価値が証明されたNFTアートの仕組み

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術をデータ管理に活用することで、改ざんできない仕組みをもつ仮想通貨(の概念)のことだ。そして、冒頭で紹介した作品のように、画像や音楽などのデジタルコンテンツをNFTに変換した作品を「NFTアート」という。

トークンとは?

ブロックチェーン技術を使って発行された仮想通貨のこと。FT(代替性トークン)にはビットコインやイーサリアムなどが挙げられ、同じ価値のトークンが発行できるため通貨として流通している。一方、NFT(非代替性トークン)は代替できないため、通貨としては流通しない。

NFTの肝は、「ブロックチェーン技術」だ。ブロックチェーン技術は「分散型台帳技術」と呼ばれ、一箇所でなく分散型のコンピュータネットワークにすべての取引を記録する技術だ。記録は、複数取引分がひとつのブロックにまとめられ、その時点での最新ブロックの後ろに繋げて保存される。取引記録のブロックが、時系列に沿ってチェーンのように繋がっていくことから、「ブロックチェーン」と呼ばれる。

ここで重要なのが、「一箇所でなく分散型のコンピュータネットワークに記録される」という点だ。すべての記録は各ユーザー間で共有されるため、もし誰かが記録の改ざんを試みればすぐに見つかってしまう。

また、ブロックチェーン技術は、取引記録だけでなくさまざまな情報も記録できる。例えば、NFTアートの作成者を記録すれば、作品が本物であることを証明できるし、購入者を記録すれば、所有権を証明できる。NFTアートは二次流通(転売)も盛んだが、その理由は購入履歴をたどって、有名人がかつて所有していた作品を手にできるからだ。

これまで、希少価値があるモノといえば、絵画や骨董品など「物理的に存在するモノ」だけだった。しかし、NFTによってデジタルアート作品にも、固有のモノとして希少価値をもたらすことができるようになったのだ。

意外と簡単!NFTアートの作成・販売方法

「仮想通貨」や「NFTへの変換」と聞くと、NFTアートの作成や販売は「敷居が高い・・・」と感じるかも知れない。しかし、意外にも簡単に、自分の作品を世に流通させることができる。

NFTアートの作成方法は、デジタルアートの場合と同じだ。画像ならIllustratorやPhotoshopで制作する。なかには子どもが画用紙に描いた絵をNFTアートにしている人も。アナログデータもデジタルデータに変換すれば、NFTアートになるということだ。

さて、デジタルアートが完成したら、マーケットプレイス(例えるとNFTアート専門店)に作品をアップロードし、デジタルアートをNFTに変換しよう。ここでは、世界最大のNFTマーケットプレイス「OpenSea」での出品を紹介する。

OpenSeaを使うためには、仮想通貨「イーサリアム(ETH)」と、仮想通貨をいれておく財布「MetaMask」が必要になる。ETHでシステム利用料(ガス代と呼ばれる)を支払わなければ、OpenSeaでNFTアートの売買はできない。円やドルといった法定通貨や、クレジットカード払いには対応していないので注意しよう。

ETHやMetaMaskを準備して、OpenSeaに出品するまでの流れは以下のようになる。

1.ETHを、仮想通貨取引所(bitFlyerやCoincheckなど)で日本円と交換する

2.MetaMaskをインストールしてウォレットを作成し、購入したETHを送金する

3.OpenSeaでアカウントを作成、MetaMaskと連結させる

4..OpenSea内にMy Collectionページ(作品の陳列棚のようなもの)を作る

5.My Collectionページに作品をアップする(デジタルアートがNFTに変換される)

6.アップした作品に値段をつけて、システム利用料(ガス代)を支払って販売する

ガス代については、時間帯や日によって変動する。取引量が少ないタイミングならガス代が安く済むが、取引量が多い場合、ガス代が高くつく。目安としては、最初に5,000~15,000円分のガス代がかかると思っておこう。

OpenSeaでは、初めての出品時のみガス代がかかるので、タイミングを見計らってガス代が安いタイミングで出品するのがおすすめだ。ちなみに、NFTアートが売れた際には、販売手数料として売上の2.5%がOpenSeaに支払われる。

NFTアートを購入したい場合にもETHが必要となる。ウォレットにETHを送金してからOpenSeaで希望のアートを購入しよう。

一国分の電力消費!?NFTアートの課題

デジタルアートに新たな価値を付加し、誰でも作品を世に流通させることができるNFT。多くのメリットがあるが、さまざまな課題も指摘されている。

そのうち最も大きな課題が、大量の電力消費とそれに伴う環境への負荷だ。Digiconomistの調査によると、仮想通貨・ビットコインの取引が消費する年間電気エネルギーは178.04TWhと、ポーランドの年間消費電力に匹敵するとのことだ。また、ビットコインの単一取引における消費電力についても1779.11kWhと、米国家庭の平均電力消費量の98日間分に相当するという。また、ビットコイン取引による年間二酸化炭素排出量についても、84.57MtCO2と、バングラデシュの二酸化炭素排出量にあたる。

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引用:Digiconomist「Bitcoin Energy Consumption Index」

これほどまでに電力が必要なのは、仮想通貨取引の裏ではコンピューターが莫大な計算をおこなっているからだ。ブロックチェーンが誇る高度なセキュリティーを実現するためには、多くのエネルギーが必要となる。ビットコイン取引の数値を挙げたが、これはブロックチェーン技術を用いるNFTの取引においても、同様のことがいえる。

現在、NFT取引に用いられるETHは、環境負荷が大きいPoW(Proof of Work)という仕組みを採用しているが、今後、環境負荷の小さいPoS(Proof of Stake)という仕組みに移行すると発表している。しかし、PoSへの移行には複雑な作業が必要なため、完了する時期は未定だ。

さまざまなモノに価値をもたらすNFTの今後は?

メリット・デメリットの両面を併せ持つNFTだが、ロイター通信によると、2021年上半期の総売上高は約25億ドルだったという。日本円にすると、およそ2,760億円だ(2021年10月現在)。この数値は2020年上半期の売り上げ(1370万ドル)を大きく超えており、NFT市場はこれからも拡大するとみられている。(参照:ロイター通信「NFT sales volume surges to $2.5 bln in 2021 first half」2021年7月6日)

今後もNFT市場が拡大すると見られる要因は、NFTマーケットプレイスを利用しているアーティストがまだごく一部だからだ。今後、多くのアーティストがNFT市場に流入し、すべてのデジタルアートにNFTが活用されれば、市場規模はもっと拡大するだろう。

また、NFTアートとして流通するのは、絵や音楽、動画だけではない。

2021年3月、Twitter共同開発者兼CEOのJack Dosey氏が、自身の初めてのツイートをNFTに変換して、およそ3億1500万円で販売した。NFTを活用すれば、今まで特段価値のなかったものも、価値を付けて売ることができるのだ。

さらに、データの偽装・改ざんができないブロックチェーン技術は、選挙時の電子投票への活用が検討されている。2018年には、米国のウエストバージニア州で実証実験がおこなわれ、日本でも千葉県つくば市など多くの自治体で開発が進められている。

テクノロジーの活用で、さまざまなものに新たな価値をもたらすNFT。大人も子どもも、世界的な有名アーティストになれるチャンスが転がっている。NFTが多くの人に夢を与え、暮らしを豊かにするのか、それとも環境破壊を助長してしまうのかーーーNFTの動向について、今後も注目したい。

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Deeper ライターズ

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